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現在では、487人の全就業者のうち、366人が第3次産業の従事者である。木工品も観光土産として店頭に並ぶことが多く、観光が村の経済を支えている。

 

第3文化・芸術資源を生かした地域振興事業の概況
1 檜枝岐歌舞伎
(1)檜枝岐歌舞伎の歴史
檜枝岐歌舞伎は、寛政、文化以来、200年近い伝統を持つ。檜枝妓村に歌舞伎がどのような経路で伝わったかは、はっきりしない。江戸時代、村人が「お伊勢参り」などに出掛けた帰りに江戸で歌舞伎を見ることが多かった。その人たちが覚えて来たことをまねて演じたのが起こりである。
これに本職の歌舞伎役者の指導が加わって、農民歌舞伎の基礎が出来た。歌舞伎一座は普通は歌舞伎だけでは生活出来ず、各地に出稼ぎに出る人が多かった。その際、地元の人に演技の指導をし、一緒に演じて普段は出来ない主役などを演じていたらしい。
交通が不便で他地域との交流の少なかった村にとって歌舞伎は唯一の娯楽だった。年2回の祭りには、鎮守神の境内で必ず歌舞伎を上演した。そこは、日頃会えない人との交流の場でもあった。檜枝岐歌舞伎は69年に村の重要無形民俗文化財の指定を受けた。

 

(2)槍枝岐歌舞伎の現状
檜枝岐歌舞伎を伝承しているのは、千葉之家花駒座である。座員は25人。若者から高齢者まで幅広い。職業も役場職員や民宿経営者、主婦など様々だ。比較的時間のとれる冬季に集中して練習する。皆、役者、裏方、小道具、大道具、化粧などの役回りを兼ねる。
千葉之家花駒座は、時代ものの演目を中心に11幕を伝承している。上演可能な伝承演目は次の通りである。
▽一之谷ふたば軍記(2段目・須磨浦の段、3段目・熊谷陣屋の段)
▽絵本太巧記(2段目・本能寺の段、10段目・尼ケ崎の段)
▽奥州安達ケ原(2段目・文治館の段、3段目・袖萩祭文の段)
▽玉藻前曦の袂(3段目・道春館の段)
▽神霊矢口の渡(2段目・八郎物語の段)
▽鎌倉三代記(7段目・三浦別れの段)

 

 

 

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